遺産分割協議書の作成の流れ 注意点と書き方を解説します

遺言書の内容どおりに遺産分割する場合や、法定相続分どおりに遺産分割を行う場合は、遺産分割協議書を作成する必要はありません。

しかし、遺言書がない場合または法定相続分とは異なる割合で遺産を分割する場合は、相続人全員で遺産分割協議と呼ばれる話し合いを行い、遺産をどのように分けるか決めなければなりません。

遺産分割協議の結果、誰が何を相続するか合意できたら、遺産分割協議書を作成して様々な相続手続きを始めることになります。

今回は、遺産分割協議書の作成の流れ、注意点及び書き方を説明していきます。

遺産分割協議書を作成するまでの流れ

遺産分割協議書は以下の手順で作成していきます。

① 遺言書が残されていないか確認する

② 相続人を確定する

③ 相続財産を調査し、財産目録を作成する

④ 遺産分割協議を相続人全員で行う

⑤ 合意した内容を記載した遺産分割協議書を作成する

それでは、一つ一つ見ていきますね。

まずは遺言書が残されていないか確認しましょう

遺言書がある場合、原則として遺言書に従いますので、苦労して遺産分割協議を行い、ようやく合意に至ったとしても、あとから遺言書が見つかった場合、せっかくの話し合いは無駄になってしまいます。

ですから、遺産分割協議を始める前に、亡くなった方の遺言書が、引き出しや金庫などに残っていないか、あるいは家族の誰かが預かっていないか調べましょう。

また、平成元年以降に作成された公正証書遺言であれば、近くの公証役場に申し出ることで、存在の有無および保管公証役場を検索することができます。

これらのように、遺言書が無いであろうことを確認したうえで、遺産分割協議に入りましょう。

相続人を確定する

亡くなった人の遺産は、相続人全員の共有となります(民法898条)。

従って、遺産分割協議は、相続人全員で行わなければ無効となってしまいます。 そのためには、法定相続人が誰なのかを調査し、確定させる必要があります。

相続人の調査方法

亡くなった方の、死亡から遡って出生までの連続した戸籍謄本を収集します。

何故なら、前の戸籍に在籍していた人が、死亡・婚姻・離婚・転籍などの理由により、その戸籍から除籍されると、新しく作られた戸籍には反映されていないので、死亡から出生まで遡ることで、前妻との子・養子縁組した子・認知した子等がいるのか確認する事ができるからです。

これで、法定相続人を確定することができました。

また、戸籍謄本は、本籍地のある市町村で取得しますが、死亡時に登録していた本籍地で、出生から亡くなられた時までの連続した戸籍謄本をすべて集められることはまずありません。
戸籍法の改正・転籍・結婚・離婚など様々な理由でその都度新たに作られているからです。一つ前の本籍地が見つかったら、その市町村に請求します。この繰り返しで出生まで遡っていくことになります。

相続財産を調査する

被相続人が所有していた財産をもれなく調べて確定させる必要があります。

なぜなら、遺産分割協議後、新たな相続財産が見つかれば、その財産については、原則として、再度、協議のやり直しが必要になってくるからです。

不動産、現金預金、有価証券、貸付金などすべての財産を調査します。

それだけでなく、借入金、ローンといったマイナスの財産も調査することが必要です。相続財産の調査が不十分だと、大きな借金があることを後になって発見し、相続放棄の申述もできなくなってしまいます。

財産調査を終えたら、相続財産にどういったものがあるのか、各財産の評価額はいくらなのかを記載した財産目録を作成します。これで、遺産分割協議をスムーズに行うことができます。

遺産分割協議をする

相続人と相続財産の確定が済んだら、相続人間で遺産をどのように分けるか話し合います。

遺産分割協議を行うには、相続人全員が参加して話し合いをする必要があります。全員参加と言っても、一堂に会して話し合わなければならないという訳ではなく、相続人が遠方にいたり、病気などで集まれない場合には、電話やメールなどで、全員の合意がなされれば大丈夫です。

 遺産分割協議書を作成する

遺産分割内容に、相続人全員が合意したら、その内容を遺産分割協議書として記録に残します。

後々のトラブル防止のためでもあります。

遺産分割協議書が作成できたら、各財産の名義変更手続き、相続税の申告の際に使うことになります。

遺産分割協議書の書き方

最後に、遺産分割協議書の書き方について説明します。

遺産分割協議書の書式は決まっていません。パソコンでも、手書きでも作成可能ですが、相続人の住所と氏名は自筆で書きましょう。それと、必ず実印の捺印が必要です。

遺産分割協議書には、以下の事項を記載します。

① 亡くなった人の最後の本籍地、最後の住所、氏名、相続開始の日

② 相続人全員が遺産の分割内容に合意している旨

③ 各相続人が相続する財産の具体的な内容

④ 相続人全員の住所、自筆の署名、実印の押印

遺産分割協議書は相続人の人数分作成し、相続人が各自保管しましょう。相続人それぞれが相続手続きをするために遺産分割協議書が必要ですし、遺産分割協議が成立したという証となり、後々のトラブル防止に繋がります。

今回見てきましたように、遺産分割協議書作成において、必ずやらなければならない手順があります。相続人を確定することと、相続財産を確定することです。

当事務所では、亡くなられた方の出生から死亡までの連続した戸籍を取り寄せ、相続人の確定をして、相続関係説明図を作成いたします。また、財産調査をして、財産目録を作成いたします。

これらの相続関係説明図や財産目録などをもとに、遺産分割協議が円滑に進められることになるでしょう。

もちろん、遺産分割協議がまとまりましたら、その内容について遺産分割協議書を作成いたします。相続人全員の署名と実印を捺印して相続手続きに進みましょう。

遺産分割協議書作成に不安がある、必要書類を集める時間がない、中立の立場である専門家にきちんとした書面にしてもらいたい。その他お困りの事がありましたら、当事務所までご相談下さい

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